2008年05月06日
乳がんの治療実績
乳がんの治療に関するいろいろな実績の数字は、インターネットを利用するとかなりの情報が収集できます。
乳がんの治療に関して、治療実績で現在重要と思えるものが、乳房温存手術の実績です。サイトによっては乳房温存手術のパーセンテージを比較できるようになっているものも存在します。このパーセンテージは技術的な問題というよりは担当医師の乳がんに対する考え方によって変わるといえます。直接の話を聞く前に、治療実績の数字からある程度の方針をつかめるという点でも、治療実績の数字に目を配るのは有益であるといえます。
このように数字で示されることへの安心感の対極に位置するのが、数々の乳がんの民間治療法に関する実績の表し方かもしれません。嘘の数字を載せるのは明らかに犯罪ですが、具体的に書かないで効果のみ強調をしたり、被験者が非常に少ないという結果があれば、西洋医学的見識では否定されるのも無理はありません。もう少し多くの症例をきっちりデータ取りしてやれば新たな治療効果の根拠が示されることもあるかも知れません。
乳がんの治療の指針
乳がんの治療には、指針が存在します。乳がんの治療は効果の高い治療法が複数登場してきており、このこと自体は大変喜ばしいことですが、治療の決定が医師にフリーな状態でゆだねられれば医師の個体差で治療にばらつきがでてしまう懸念があります。そこで乳がん治療にも指針が存在するのですが、指針が存在するのは術後療法に関してです。
日本国内の乳がん治療に関する指針は、日本乳癌学会の定めるガイドラインというものがあります。2年に1回改定され、最新版ではホルモン療法や分子標的薬などを交えたガイドラインが登場してきています。
かたや外国の乳がん治療に関する指針は、有名なものでセントガレンリコメンデーションとNCCNガイドラインというものが存在します。セントガレンリコメンデーションはスイスで行われる会議に基づいて決められるもので、NCCNはアメリカのがんセンターの専門家によって定められるものです。
これらの乳がん治療に関する指針は、あくまでも指針ですから、絶対的な選択ではありません。もちろんどの指針を用いるかも、病院や医師個人にゆだねられているといえます。指針に100%沿うことだけでは確率で命を扱うようにもなりかねないと私は思いますので、これくらいフレキシブルな方が患者の命を尊重しているといえるのかもしれません。
乳がんと「がん治療最前線」
乳がん患者は女性のがん患者の中でも一番多いですから、治療の最前線の情報に注目する人の数も当然多いでしょう。そんな人達にとって良い情報源になるのが、その名も「がん治療最前線」という雑誌です。
今の世の中はインターネットという便利なツールが普及しきっているといえます。新鮮な情報を手に入れるという点で紙媒体はインターネットには到底叶いません。しかしながら、インターネットに来ていない情報や総合的にまとまった情報を手に入れることの出来る情報誌は、いまなおその価値を失いません。例えば、乳がんの治療のヒントや知識を得るために「がん治療最前線」を読んだときに、今は乳がんには積極的には利用されていないけど将来的に利用が普及すれば画期的な治療法になり得る(例えば最新の放射線治療機器であるトモセラピーのような)ものが見つかれば、選択肢を増やすと同時に希望も生まれます。
乳がんだけでなくすべてのがん患者に対して、「がん治療最前線」は希望が詰まっているある意味「楽しい」読み物ではないでしょうか。
乳がんの治療と抗がん剤の現状
乳がんの治療はその転移しやすい性質から全身治療の必要を伴う場合が多くあります。抗がん剤は乳がんのみならずあらゆるがんの全身治療に用いられる治療で、ホルモン治療や分子標的薬など多方面で効果のある薬が使われだしている乳がんにおいても、治療の選択肢から抗がん剤は決して外せません。
そんな抗がん剤の現状として患者に大きく影響するのが保険の適用についてです。抗がん剤は例え保険適用と認可されたものでもあまねく全てのがんにおいてそれがいえるわけではなく、例えば脱毛の副作用の少ない抗がん剤であるナベルビンは非小細胞肺がんについての適用はありますが、乳がんには保険が適用されません。同様のケースで転移後の乳がんについてのみ保険が適用されるものなどがあり、その医療費によって選択肢を狭められる現実があります。海外で実績があっても国内にはまだ入ってきていないような未承認薬についても同じことが言えます。効果を示していても個人輸入・全額負担で入手するより他無い薬は多くあります。ひとえに役所の迅速な対応が望まれるところです。
このように乳がんの治療に限らず全てのがんにおいて抗がん剤のセレクトは所得に依存する部分が大きいのが現状であるといえます。日本の保健医療制度は弱者救済の手立てになっている部分も実際にあるのですが、さらなる利便性を求めずにはいられません。
乳がん治療後の乳房再建術
乳がんは乳房切除手術後において女性患者の受けるダメージは肉体的だけでなく精神的にも想像にあまるものがあります。最新の治療との組み合わせで早期の乳がんについては乳房温存手術が行われるケースが増えているのは喜ばしいことですが、トモセラピーなど高度な放射線治療技術が誕生しても、現在単独での放射線治療は行われていないなど、依然として切除手術が乳がんの一番の治療になっている現状は変わりません。しかしながら、乳房の切除を伴う乳がんの治療後にも、乳房を形のみでも取り戻せる方法が登場し始め、希望を与えています。
乳がんの乳房切除手術後の乳房再建術には、自分の体の一部を使うものと、人工物により乳房を再建するものの2種類があります。自分の体の脂肪や筋肉を移植する場合には手術がすこし大掛かりになる点と移植部位に新たな傷が発生する点にデメリットがありますが、保険が適用されること、より自然に体になじむことが利点として挙げられます。一方人工物を埋め込む場合には、時間が少なく手軽さがありますが、人口のものは自然の皮膚には無い違和感が必ず存在します。また、保険が適用されない場合があるのもデメリットとされます。
いずれにしても、乳がんの乳房切除治療後も乳房を取り戻せる道が広がっていることは、患者の病状そのものを左右するほど精神に影響するといっても過言ではないでしょう。
2008年05月05日
乳がんの治療と完治
乳がんは転移しやすい性質と、初期から発見がしやすいという性質の2つの側面を持っています。治療に当たった場合の完治という点についても、一言では語れないところがあると言えます。
乳がんにかかわらずがんの治療を行った際、たとえごく初期のものを切除するという内容の処置であっても完治と断定するのは早計です。がん細胞は無限に分裂する細胞ですから、たとえ1辺残っていてもやがては目に見える大きさに増殖するのです。一般的には5年間再発が無ければ完治とみなせるがんですが、乳がんは進行が遅いため、治療後10年間転移再発が認められなくて初めて完治ということが出来ます。
一番完治しやすい乳がんは、どこにも侵食を始めていない非浸潤がんの状態で乳がんが発見されることで、この状態であれば切除手術により90%にせまる確率で完治が見込めます。発見の遅れで進行した状態で見つかることの多い乳がんですが、非浸潤がんの発見もマンモグラフィー検査の浸透などによって増加傾向にあります。トモセラピーなどの新しい放射線治療において完治の実績が積みあがれば、より負担の少ない治療を選択する傾向が高まるかもしれません。
乳がんの新しい治療法、術前化学療法
乳がんの治療における化学療法のあり方が、近年見直されてきています。一般的に化学療法、つまり抗がん剤による治療は進行がんの全身治療として、あるいは転移が疑わしい場合の外科手術後の治療として使われるもので、その治療法は乳がんにおいても同様でした。治療が術前に行われるケースは腫瘍が大きい場合に、化学療法で腫瘍をある程度小さくした後に手術をする目的がほとんどでした。しかしながら、近年の統計で、乳がんの治療に関して化学療法を行うタイミングは、術前と術後で転移・再発の確率に差が生じないことが確認されてきています。それならば、術前に化学療法を試みて腫瘍を小さく出来れば、乳房温存の可能性も高まるだろうというのが最新の考え方です。
治療の開始時期を前後させただけでメリットが生まれるというこの考え方ですが、残念ながら抗がん剤の大きなデメリットである副作用に関しては、時期を変えても程度が軽くなることは無いようです。それでも、研究や症例の蓄積で一歩ずつがんの治療の未来が開けていくのは喜ばしいことです。
乳がん治療のガイドライン
乳がん治療の全国的な効果向上に寄与しているのが、ガイドラインの存在です。乳がん治療は症例が多く、また有効な薬が抗がん剤に留まらず登場してきています。こういった雑多な治療を体系化して「ある状況のときにもっとも効果の高い治療はこれである」という選択の出来る手引きのようなものがあれば、全国どこでも現在考えうる最大公約数的な(一定レベル以上の)治療が受けられることになります。日本では日本乳癌学会の定める日本乳癌学会診療ガイドラインというものがあります。
日本乳癌学会診療ガイドラインでは、2007年度に最新の乳がんの薬物治療に関するガイドラインを示しています。2007年度のガイドラインでは乳がんに効果が期待できるHER2標的薬とホルモン療法を選択肢におさめ、より効率的な治療が行えるように改正されています。このように乳がんに限らず治療に関するガイドラインは最新のものへと更新され続け、その時点でもっとも適した判断と治療が行えるように医師の判断を導きます。
トモセラピーや遺伝子治療など最新の治療がガイドラインに入ってくるくらいに実用化され、普及することが望まれます。
乳がんの治療にいくらかかるか調べたいときに
乳がんの治療にいくらかかるかを調べたいと考えても、実質的な数字を示している情報源を見つけるのはなかなか難しいものです。乳がんの進行度や治療法によっていくらかかるかという問いに対する答えも大きく変わるため、確実な数字は製薬会社や医療機関にしてもずばりといえないのが実際のところでしょう。
乳がんの治療にいくらかかるのか、という問いに具体的に答えてくれる一つの情報源は、いまや日常的な情報公開と収集の手段となったブログです。乳がん人口が多いだけあって、乳がんに関するブログを立ち上げている人も多く、中には実際の治療費を事細かに載せているブログも存在します。使用する薬剤や状況は各々違うものですが、例えば保険適用のある薬剤について値段が上下するようなことはありませんので、情報を収集すればある程度まで「乳がんの治療にいくらかかるのか」という問いに対する答えといえるものが形成できるのではないでしょうか?
ブログの論点はあくまでも主観ではありますが、乳がんの治療にいくらかかるのかという点のみならずその治療に対する感想や効果、医者の対応、医者から伝わってきた最新情報などなど有用な情報が多く取り入れられるのがブログの有用な点でしょう。
乳がんの最新治療とその変遷
乳がんの最新治療といった場合に、大きく分ければ二つのものがあると言えます。ひとつは外科的領域、もうひとつは内科的領域です。
乳がんの外科的な最新治療は、なんといっても乳房温存療法でしょう。病巣を小さく切除→病理検査で取り残し確認→放射線で周辺転移の可能性のある病巣を排除→化学療法やホルモン療法で全身の微小転移の可能性のある病巣を根絶という流れが確立し、またその流れの中の各々の治療について、治療の効果の高い最新治療が生まれてきているという現状が、乳房温存手術の浸透を助けています。乳がんの外科的な最新治療では放射線の中でもトモセラピーという精度の高いものが注目されていますし、内視鏡による手術や超音波による病巣の破壊はすでに行われ、成果を挙げています。今後の乳がんの外科的な最新治療には「切らない」というキーワードが登場してくる期待があります。
翻って乳がんの内科的な最新治療は、現在においては分子標的薬を始めとする副作用が少なく効果の高い薬の処方があります。乳がんの発症に関わっていると見られる遺伝子の特定に関する研究は進んでおり、さらに研究が進めば特定の遺伝子のみを攻撃するような薬が開発され、副作用がごく少ない治療法が生まれてくる可能性もあります。
日本における問題点は、乳がんに関わらず最新治療がなかなか認可されないという点にあります。インターネットの普及で情報が先走ってしまう現代だからこそ、実用に関してもスピードアップが望まれます。

